エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」
 |
人気ランキング : 5342位
定価 : ¥ 1,575
販売元 : 日本放送出版協会
発売日 : 2000-02 |
 |
経済に関心のあるすべての方の必読書 |
同名のNHKの番組の取材からできた本です。番組も一部で大きな反響を起こしましたが、それを詳細に補足しています。童話作家として、また哲学者として著名なエンデが晩年に思索した「多くの経済問題を貨幣にその根源を見出しうる」ということ。資本主義と市場経済に対する大きな問題提起です。「時間とともに老化し価値を減じていく貨幣」など未来における新しい選択肢も提示されています。誰もさして疑うことない貨幣の驚くべき秘密を知ることができます。多くの方がこの本をお読みになられることで、もしかして社会が変えうるのではないかと思わせほどです。
 |
人類が作り出した最傑作 |
自然界に貯めれば貯めるほど増えていくものはありません。それはすべてのものに生命があるから。人類が作り出したものにおいても多くのものが減価していくか、消耗、磨耗してゆき、なくなるものが大半です。
お金も物体としては消耗してゆきますが、本来の性格である価値はどんどん増えてゆきます。お金がお金を呼び寄せるという言葉があるように富める人が寄り一層富むのが資本主義社会の特徴であり長所であり、反面短所であります。本来は物々交換から始まった人類のコミュニティがいつの間にかお金によって殺しあう世界になってしまいました。本書は交換対価としてのお金と投資等により利息を増やしてゆく手段としてのお金の持つ二面性が非常に分かりやすく書かれています。そして世界各国で物々交換の対価として地域通貨を作り、お金を減価させることで流通性を高める試みがされているとは本当に驚きましたし、非常に参考になりました。
 |
お金を根源的に見直し、お金の本質をまず知ることが混迷の時代、賢く生きる為の第一歩だと |
大変面白い本でした!お金とはもともと交換という便利な手段として人間によって作られたものですが、だんだんとお金が劣化しないというシステムにより、お金は渇望されるものになり、お金のあるものに権力があつまり、お金の貸し借りと利息というシステムにより富のあるものにお金が集中して行くのです。現在の取引されているお金の98%が商品としてのお金で、実質のやり取りされている金額は2%ということが書いてありました。現在私達がきっちりと現状を見なくてはいけないということが分かってきます。この経済のシステムを続けてゆけば必ず破局がやってきます。それは恐慌だったり、戦争だったりするわけです。このまま、この資本主義経済が進行するかというと、多分そう長い先ではない未来に、通貨の形態が徐々に変わってゆくのではないかと思われます。すぐに経済の形が変わるわけではないですが、お金(通貨)のシステムについての様々な試みがおこなわれることでしょう。お金を根源的に見直し、お金の本質をまず知ることが混迷の時代、賢く生きる為の第一歩だと思います。
この本は絶対に一度はお読みになってみるといいですよ。
 |
この本の評価の長期的展望 |
普通多くの人は自分が時代を超えて普遍的な視点を持っていると暗黙に考えている。環境問題であればISO14000とやらをを全ての企業がみたせばエコロジーの問題は解決されると考えている。今ある制度は暫定的なものであり、暫定的には機能しているだけなのだと、この本は教えてくれる。労働者が団結するまえに金融システムは団結してしまったのである..とは池田晶子の言葉だが、ケインズがエージングマネーを評価していたことや現代のお金にもっとも通じていると思われるアマーティア・セン(1998?ノーベル経済学賞)やユーロ貨幣を立案した中心人物の一人が通貨についてエンデと同じような考えかたをしていたのに多くの人は気付いていない。私達の価値観は自由であるように見えて、その実お金という自分達で作ったものにひどく影響を受けている。この本の主張は数十年という単位で確実に大きく評価されるだろう。そんなことはわかるはずもないと言われそうだが、これは私の偏見であると同時にセンスである。これは時間が証明する。少なくとも私は長いこと疑問に思っていたお金と経済システムについて一つの理解を得たのである。エンデの著作の謎ときのようにこの本の真偽は時間が解決するのである。
 |
人はなぜお金を貯めるのでしょうか? |
エンデのことでは色々なところから読んでおりますが、お金に利子がつかないということと、貯蔵することによってマイナスに減価していくことだけが、本来的貨幣の意味ではないと考えています。
一般的な通貨を考えたとき減価させるシステムは政策上とりにくいわけです。もしその中で採り入れられる政策としては利子を付けないことぐらいではないでしょうか。ただそのことによって貧富の解消にははなはだ遠い気がいたします。
ただ私が現在貨幣論のかたちで本を書こうとしておりますが、参考になるということではこの本の右に出る本はないと感じております。
本質的なことはマルクス・ケインズ・そしてエンデを超えたところにあると感じております。